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2015.10.13
ジャマイカの過去
謝罪と賠償はグローバルな要求



 国連総会出席後、安倍首相はジャマイカを訪問した。同国はカリブ海の島、人口272万人、コーヒーのブルーマウンテンで知られている国だ。人口の90%超が黒人で1962年に英自治領から独立、現在は「カリブ共同体(カリコム)」加盟国だ。
 首脳会議で安倍首相は、「日・ジャマイカ・パートナーシップ」協定で島嶼開発、防災管理能力向上、経済協力、学術交流について確認、「積極的平和主義」を訴え、一方のシンプソン・ミラー首相はその取組みを歓迎した。


 これに先立ち、英キャメロン首相もジャマイカを訪問した。当地では200年以上の植民地時代の奴隷制について謝罪・賠償請求運動があり、「カリコム」を通して賠償委員会が設立され、公式謝罪、債務帳消し、教育・社会開発計画などを策定している。キャメロン首相は議会演説で「この傷は非常に深い」「もっとも暗い時代」「忘れてはならない」と述べたが、謝罪・賠償には一切触れなかった。
 英国は1833年に奴隷制を廃止したが、当時の英政府は奴隷主に失った奴隷の補償金を支払い、キャメロン氏の祖先もその恩恵に預かった一人であった。
 ジャマイカ賠償委員会は「個人的にも、国家的にも謝罪すべきだ」とTV放送し、マイク・ヘンリー議員は英首相が議会演説でこの問題に言及しなければボイコットすると述べていた。シンプソン首相は首脳会談後も賠償問題を正式に要請した。


 人は自らの犠牲の上に「文明的な国」が成立した歴史を忘れていない。

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