日米印3国海軍合同演習「マラバール2015」が10月14日から19日まで、インド洋ベンガル湾で行われた。演習は「米太平洋・インド洋戦略」の一環で1992年の米印2国海軍演習から開始され、海上自衛隊はこれまでに07年、09年、14年に参加してきた。今年から正式メンバーとなり、3国合同演習になった。
これまでに豪とシンガポールも加わっており、狙いはバングラデシュ、パキスタンを支援する中国の海上輸送路安全確保の「真珠の首飾り戦略(米国防総省報告書)」を念頭においた対中包囲網の強化である。
紅海からアデン湾へぬけるバブ・エル・マンデブ海峡、そしてホルムズ海峡を通りすぎればインド洋、ここは世界のタンカー、商船が多数通過する海域である。
米海軍は原子力空母セオドア・ルーズベルト及び横須賀を基地にする空母打撃軍CTF70などを派遣、海上自衛隊は護衛艦「ふゆづき」を派遣した。インド海軍はフリゲート艦シバリク、誘導ミサイル駆逐艦ランヴィジャイ、潜水艦シンドゥッバジなどが参加、モディ政権は「海難救助、航行の安全と地域安保を向上させるため」と発表、南シナ海も視野に入れた「マラバール演習」によって米アジア軍事戦略に統合する構えである。
インドは、BRICSの枠組みで中国の「一帯一路」政策にそった国境を越えた陸上と海上の地域開発、輸送路確保計画と連携を強めている。また、米国と原子力協定を締結するなど米中双方とバランスをとった外交政策を進めている。
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