パリでは11月13日に市民百人以上が犠牲になった爆発事件が起きたが、気候変動に関する会議(COP21)は予定通り同市で開催となった。国連世界気象機関(WMO)は25日、報告書で15年が観測史上最も気温の高い年になる可能性があると発表、2011〜15年の期間の気温は、基準とされる1961〜90年の平均を0・57度上回ると推定している。
また、気象、関連災害の発生頻度が過去20年間で増大し、95年以降、洪水や暴風雨により死亡した人は60万人超、41億人が負傷したり、家を失った。干ばつ、熱波、極寒の現象は増加した。国連児童基金(ユニセフ)は23日に約7億人の子どもが気候変動による貧困や死、病気に直面する地域に暮らしていると報告した。
こうした中で約150人の国家元首も出席し、地球温暖化を抑制するための国際協定に向けた国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)が協議された。
これに先立つ29日、各地で温暖化対策を求めるデモやイベントが行われ、ロンドン(5万人)、ベルリン(数千人)、シドニー(5万人)、香港、サンパウロ、ケソンシティーなど175カ国で30万人超が参加した。パリでは抗議行動が禁止されていたが、1万人が「人間の鎖」を作り、行進の代りに2万足の靴が並べられた。しかし、一部のデモ隊が警察と衝突し、280人が逮捕された。
貧しい国々では気候変動で多大な経済的損失を被り、「気候難民」を生んだ。太平洋の島国ツバルは、海面上昇で人口の5分の1が移住を強いられている。
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