安倍首相は12月12日、モディ・インド首相とニューデリーで会談し、原子力協定についての覚書(MOU)及び防衛協力とインド初の高速鉄道計画に合意し、同時に14の協定にも署名した。
原子力協定交渉は5年越しで成立、日本からの原発輸出が可能になるが、核保有国でかつNPT非加盟国との締結は初めてである。また、今年6月に日本政府はインドに使用済み核燃料の再処理権に合意しているが、覚書では軍事転用・核拡散・核実験に関する条項は含まれておらず、インド側の意思次第としている。
米ウェスティングハウス社がグジャラト州、GE社がアンドラ・プラデシュ州に原発建設を提案しており、日本企業は米印原子力協定とも連動していくことになる。インドの原発は現在、電力生産の約3%を占めているにすぎないが、2050年までに25%の供給を展望している。
防衛協力では「防衛機器・技術移転」「機密防衛情報保護の安全措置」について合意し、「インド・日本の2025ビジョンインド太平洋地域と世界の平和と繁栄のために協同する特別戦略的グローバル・パートナーシップ」についての共同声明を出し、南シナ海の航行の自由及び上空飛行を強調、海洋安保についての定期会合を決定した。
高速鉄道の建設工事は17年に始まり、完成は30年の予定でムンバイとアーメダバード間500キロを結ぶ。同国には他に複数の基幹路線高速化計画があり、中国をはじめ仏・スペイン企業も関与しており、競争は熾烈だ。
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