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2016.01.01
原油値下がり 
価格変動と国際政治



 昨年12月11日のニューヨーク原油先物相場は米国産標準油種(WTI)が1バレル=35ドル台の安値になった。14年1月の95ドルと比較すると4割以下、1980年頃の水準になった。
 国際エネルギー機関(IEA)は今年7〜9月の世界の原油需要は日産9520万バレル、一方、生産は9680万バレルと発表、来年の後半まで供給過剰が続く見通しとしている。12月4日に開かれたOPEC総会でも減産は見送られた。
 価格下降にもかかわらず米シェールオイルは採算の良い油井で生産量を維持し、サウジアラビアも増産で低価格競争が続いている。


 石油は1960年にOPEC(石油輸出国機構)が結成されるまではエクソン、シェルなど国際石油資本が価格を低く抑え決定していた。
 その後、しばらくOPEC公示価格が基準となったが、80年代から市場価格で取引きされ、急落と高騰を繰り返している。現在は北海ブレント原油・WTI・ドバイ原油価格が指標となっている。


 こうした中。米財務省が「イスラム国」の最大の資金源は石油密売と発表した。米軍は昨年から拠点を空爆してきたが、砂漠で数千台の列を作るタンクローリーを「初めて破壊した」という。同様に原油提供を受ける組織・人物に制裁を課すとしてきたが、過去数年間、占拠されたイラクやシリアの油田から原油がトルコやイスラエルの製油所で精製され、出荷されてきた。
 当然、国連安保理決議違反である。


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