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2016.01.12
中国とラテンアメリカ 
縮まる距離



 北京とハバナを結ぶ中国国際航空の第一便が12月27日に飛び立った。カナダ・モントリオール経由直行便、19時間半のフライトである。両国の国交樹立55周年を祝う年に実現され、週3便運行される。北京駐在キューバ大使は「友好関係が距離を消すことになった」と述べた。二国間の経済関係の拡大と観光客の増加に寄与するばかりでなく、中国とラテンアメリカ地域をつなぐことになる。


 21世紀に入り、中国のラテンアメリカ諸国との貿易関係は最初の10年間で10倍以上拡大した。これまでの米依存経済システムから脱しようとするベネズエラ、アルゼンチンとの経済関係は大きく伸び、ブラジルとはBRICSグループを形成している。さらに中国は米州開発銀行などの地域機構への融資国にもなっている。
 また、南米地域統合の流れに沿い、宇宙開発分野で中国の衛星発射センターからベネズエラの通信衛星ベネサット2機、ボリビアとも同様の協力を進めて通信衛星トゥパク・カタリを打ち上げた。ブラジルとの協力は1980年代から進み、2014年までに地球資源衛星(CBERS)を5機打ち上げている。同時に人材養成プログラムも進行している。


 インフラ開発ではニカラグア運河の掘削権を香港の会社が獲得、14年12月から建設が始まっている。完成は21年である。太平洋とニカラグア湖をつなぎ、河川を通って大西洋に抜ける運河で、超大型石油タンカーの通行が可能になる。こうした情勢下、地域の対米関係は大きく変化している。


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