米大統領選挙戦が始まった。7月予定の民主党、共和党の各全国大会の後、11月8日に一般有権者による投票・開票が行われる12月に選挙人による投票の後、来年1月に正式に大統領・副大統領当選者が決定され、21日に就任することになっている。選挙戦は長い。
2月1日に指名獲得のための党員集会がアイオワ州から始まり、民主党はクリントン元国務長官が勝利した。青年層が熱狂的に支持するサンダース上院議員との支持者獲得率の差は0・2ポイントであった。
一方、共和党はクルーズ上院議員が接戦で上位に立った。9日にはニューハンプシャー州で行われ、両党とも支持率の低い候補者が選挙戦から撤退した。大統領選挙は資金力・組織力が第一、企業や団体から資金を受ける候補者が多い。二大政党以外の候補者は一定数の有権者による署名が必要とされ、全国規模での立候補は難しい。
中東・アフリカの戦争と不安定状態、これと連動した欧州の危機、中国経済を見据えたアジア情勢、中南米政権への介入など世界の出来事に与える米外交政策の影響は大きい。米国内も失業・貧富の格差、人種差別、移民排斥、医療制度等社会政策の遅れなど解決のための「進歩主義」が必要な土壌だ。
サンダース候補は1月中に77万人の個人から平均27ドルの寄金を集め、合計でクリントン候補を抜いたと報道され、有権者の変革への願いが反映された。しかし、早くもゴールドマン・サックスCEOが「危険な瞬間」だと表明した。
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