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2016.02.23
イスラム世界の分断
和平提案と外国軍介入



 ドイツのミュンヘン市で2月12日から3日間「第52回安保会議」が開かれ、国家元首、軍関係者、専門家など450人超の「政策決定者」が参加した。この会議は1963年から毎年2月に開催されており、日本から防衛省の副大臣及び外務省の外務政務官が参加した。  ケリー米国務長官とラブロフ・ロシア外相は「敵対行為の停止」について会談し、最終日14日、参加者はシリア・アサド政権と反体制派の1週間以内の一時停戦を目指す合意を討議した。


 しかし一方で、14日から18日間、サウジアラビアではシリアへの地上軍派遣を前提とした軍事演習が湾岸諸国およびチャド、エジプト、ヨルダン、スーダン、パキスタンなどの同盟国20カ国35万人兵員の参加で行われている。シリア内戦は、IS(Daesh)集団を殲(せん)滅するという口実の下に地域的には米製兵器装備の「サウジ・トルコ中心陣営」対「シリア政府勢力」の対立、国際的には「米NATO同盟国」対アサド政権維持の「イラン・ロシア陣営」の対立構図が鮮明になった。
 サウジは14年から米主導有志連合の一員として空爆に加わり、「空爆は解決ではなく、地上戦との組み合わせが必要だ」との立場だ。トルコ軍は「クルド人掃討」を理由にシリアを爆撃し、国境管理の崩れた地帯から地上戦を行っており、「対テロ戦争」は「代理戦争」化してきた。
 イスラム圏諸国民は米覇権主義に巻き込まれ、生存のための抵抗の中で生死の淵に追いやられている。


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