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2016.03.01
ジカ熱の流行
カリブ地域の経済に波及



 今夏オリンピックが開催されるブラジルでジカ熱が流行している。同国保健省は昨年から2月17日までに新生児の小頭症が疑われるケースは約4000症例と発表、通常の年間150件程度と比較すると異常な増加で、ジカウイルスとの関連を指摘している。
 小頭症は先天性疾患で知能と運動機能に障害が出る病気で、世界保健機関(WHO)も妊婦がジカ熱にかかると発症すると推測している。また筋肉が動かなくなるギラン・バレー症候群との関連もあるとされる。ブラジルでのジカ熱症例は150万件に上っている。


 その他の原因も考えられている。@2012年中期にデング熱などをもたらす蚊の駆除のためにブラジル北部で放った遺伝子組み換え蚊(GMMs)、A蚊の幼虫を退治するために2014年にペルナンブコ州にて飲料水供給システムで用いられた昆虫成長制御剤ピリプロキシフェン(アルゼンチンの「農薬散布地域の医師会」。同州での症例数は全国の35%であり、過去に発生したジカ熱は新生児奇形をもたらさなかった)。
 現在、ブラジルではこの幼虫駆除剤の使用は中止されている。ジカ熱はヤブカ属の蚊が媒介、1950年代にアフリカで流行し、今世紀になりミクロネシア、仏領ポリネシア、14年にチリのイースター島、15年にブラジル、コロンビアなど地域の二十数カ国で症例が報告されている。


 中南米カリブ地域は観光業に依存しているが、飛行機の予約が減っており、18日に開かれたカリブ共同体首脳会議で緊急課題として取り上げられた。 


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