オバマ米大統領が3月20日から3日間、キューバを公式訪問した。1898年の米西戦争以後、キューバは外交権を奪われ、国民は歴代傀儡(かいらい)政権の下で植民地政策と低開発の苦しみの中に生きてきた。
1959年にバティスタ独裁政権を革命により打倒し、独立と尊厳を勝ちとった社会主義政権には、米国は国交断絶と経済・金融・貿易封鎖、軍事侵攻(プラヤヒロン)、出国を誘惑する米国内法(キューバ人調整法)、封鎖の治外法権化(ヘルムズ・バートン法)、グアンタナモ基地違法占拠継続という敵対政策をとってきた。
キューバ国民はアイゼンハワー政権からオバマ政権まで11の政権に対して抵抗を続け、犠牲を払い、譲歩することなく社会主義革命を建設してきた。結局、米国は孤立させるつもりが、西半球で孤立しているのは自らであることを知った。家族を伴って訪問したオバマ大統領は両国の中小企業フォーラムに出席し、野球観戦を楽しんだ。過去史から見れば、米大統領の訪問はラテンアメリカ諸国民の連帯に支えられたキューバ革命の勝利である。
しかし、米議会は封鎖政策を終わらせるための解除を承認していない。大統領選の公約だったグアンタナモ基地閉鎖は実現どころか、今も拘束者がいる。50年間の封鎖政策で被った経済損失の償還については交渉も始まっていない。
外交関係回復で通信・航空機乗り入れ・海難・ジカ熱対策など協力は拡がる。両国間の歴史的隔たりを克服する新たな長い闘いが始まっている。
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