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2016.07.19
ダッカでの襲撃事件
地政学的利害競争に反発



 バングラデシュの首都ダッカで高級レストランが襲撃され、外国人18人を含む22人が死亡する事件が7月1日の夜、発生した。襲撃者は爆弾を持ち、政治犯釈放の要求を出していたが、警察との銃撃戦の中で射殺された。


 バングラデシュは人口1億7000万人、1947年、印パ分離独立時にパキスタンに帰属したが、71年、アワミ連盟の指導下で独立、その後、政権は民族主義党(BNP)と交代を繰り返してきた。現ハシナ政権は前者の政党である。
 70年代以降、安い労働力を求めて外資が進出、繊維工業が発展した。縫製品は最大輸出品目であり、昨年の経済成長率は6・55%であった。しかし、与野党間の未解決の政治紛争、少数民族問題に加え、イスラム組織は非常事態下でも激しい反政府行動に出ている。


 一方で国内の電力不足解消のため火力発電所建設計画、物流のための港湾インフラ・プロジェクトが提起され、中国・インド・日本の企業が競合している。また、地政学的に米国はアジア回帰戦略に沿って日米豪印戦略対話を利用してインド洋から太平洋にぬけるベンガル湾・アンダマン海域で「中国包囲網」を築こうとしている。
 水深の深い新港湾建設計画には将来的な軍事利用も視野に入っている。


 同国内のイスラム組織は反米・反印であり、安倍政権の中東戦争への非公然的関与、印モディ政権(BJP=ヒンドゥー至上主義)との同盟強化、武器販売に不信を高めており、日本の権益は標的とされてきている。

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