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2016.09.27
南米でソフトクーデター
右派勢力が巻き返し



 ブラジルでルセフ大統領が議会多数派により弾劾されて8月31日に失職、13年間続いた労働党政権が終わった。「大統領が社会保障費の財源確保のため会計の不正操作に関与した」に対して「違法行為はない」との対立であったが、不正行為の証拠も提出されない、極めて政治的な大統領弾劾であった。
 大統領にテメル副大統領が昇格し、18年末まで代行するが、氏自らも不正献金疑惑の渦中にあり、暫定内閣の閣僚も汚職でこれまで複数人が辞職した。パラリンピック開幕日の9月7日、48都市でテメル大統領の辞職を求めるデモが行われ、リオ市で1万人、全土で23万人が参加した。


 同様の議会による大統領弾劾は12年6月、パラグアイでも起きた。当時のルゴ大統領(「解放の神学」の神父であった)はプランテーションでの農民と警察の衝突で双方に犠牲者が出た事件の責任を問われ、わずか24時間で罷免された。問題の土地は右派上院議員の所有で米多国籍企業の大豆と綿花の農園であった。合法的「議会クーデター」と呼ばれた。


 さらにエルサルバドルではフネス元大統領(在任09?14年)が右派勢力から迫害を受ける事態になっている。最高裁判所が在任中の汚職疑惑について裁判するとしており、身体的攻撃の脅迫も受けている。現在も同国では左派が与党であるが、右派が社会政策予算阻止のために抵抗している。
 いずれも憲法で保障された制度を使い、右派勢力が左派政権の信頼性を貶め、国内の不安定化を図る目的を持っている。 

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