2014年12月、米・キューバ両国政府は国交回復に合意、15年7月にワシントンとハバナにそれぞれ大使館が設置された。しかし、米国による「対キューバ経済・貿易・金融封鎖政策」は現在も継続、グアンタナモ米海軍基地は新たな予算措置で拡充された。
3月、オバマ大統領が米大統領として初めてキューバを訪問、「歴史的」と報道されたが、訪問中の発言の趣旨は「過去を水に流して未来へ向かおう」でしかなく、「過去を忘れることはない」キューバ政府と国民は抵抗闘争の構えを堅持している。
この10月27日、第71回国連総会で「封鎖解除」決議の採決が行われる予定だが、昨年同様、米国は再び反対することになる。米議会が動かなければ法律は変わらないからだ。さらに問題なのは「封鎖政策」が第三国にも課せられる治外法権法ということだ。つまり、キューバと経済関係をもつ企業は米財務省から制裁されるのである。
こうした中、安倍首相は9月22?23日、キューバを訪問、首脳会談で13億円の医療支援に合意した。しかし、首相は「経済・文化・教育・スポーツ交流などで関係を強化したい」と希望を述べるにとどまった。米国の制裁政策の枠内に日本の貿易・投資活動が制限されるからである。
続いて翌24日には中国の李克強首相が公式訪問、ハバナで首脳会談を行い、再生エネルギー・医学研究・情報・農業・銀行および金融分野での協力のための29本の協定に調印、また信用供与に合意した。
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