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2016.10.11
水は命
米先住民、パイプライン建設に抗議



 
 北米最大の石油鉱脈のあるノースダコタ州で先住民スタンディングロック・スー族がパイプライン建設に反対してキャンプを張り、抗議の座り込みを続けている。
 工事が始まっているところでは先祖の埋葬地、祈りをささげる聖地が破壊されており、住民は居留区から1キロメートル足らずの上流で水源であるミズーリ川を横切る計画の中止を要求している。地元先住民ばかりでなく、米国とカナダから200を超す部族、数千人が応援に集まっている。


 ワシントン連邦地裁は住民側からの工事差し止め要求訴訟を却下していたが、米政府は9月9日、事業主企業に一時停止を命じた。しかし9月28日、平和的祈りを捧げている住民を武装した警察当局が包囲、空にはヘリコプターが舞い、催涙弾が落とされ、21人が逮捕された。 この「ダコタ・アクセス・パイプライン」はノースダコタ州バッケン油田からサウスダコタ州、アイオワ州、イリノイ州まで1800キロに及ぶ工事である。住民がキャンプしているキャノンボールの土地は1868年のフォート・ララミー条約で先住民が法的権利をもつところである。「ダコタ」という地名も部族語で「友人」を意味する。1863年には大規模な虐殺が行われた。先住民の闘いは歴史的でもある。


 石油・ガスの掘削・輸送事故は日常的である。バッケン原油の鉄道輸送の事故続発に米運輸省パイプライン・有害物質安全庁(PHMSA)は警報を発令する一方で腐食性・危険な含有物の有無を調査している。 

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