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2016.10.18
シリア停戦崩壊
空爆しているのは友人たち



 
 「友人たち」にリストされている国は、米、英、仏、独、イタリア、そして中東地域のカタール、サウジアラビア、トルコ、アラブ首長国連邦、エジプト、ヨルダンと「シリア反体制派」だった。「アサド政権に反対する」目的でオバマ大統領が主導して2012年に結成された。
 日本外務省は「対シリア経済制裁を強化し」、「政権退陣を迫る」として賛同している。しかし、今、この「友人たち」が「政権転覆」のために市民を空爆している。10月3日には首都ダマスカスのロシア大使館が砲撃され、同日、米国務省はロシアとの停戦協定から離脱すると報道リリースで通告した。


 9月17日には東部デリゾール市付近で赤三日月社の人道支援のコンボイが爆撃され、米政府は「誤爆」と発表したが、「誤爆」は1時間以上継続、前日には複数のドローンが上空を偵察していた。さらに直後にIS勢力がシリア政府軍基地を精確に攻撃した。


 サウジアラビア・カタール・アラブ首長国連邦が中心に資金・武器の援助をし、米・NATO軍が「反体制派」「IS」「ヌスラ戦線」などに情報提供していることはすでに明白になっている。「友人たち」は敵になり、あるいはイラク・リビアの例のように破壊からの復興から利益を得ようとしている。


 この間、危険な地中海を渡る難民は増え続け、同時に遭難死も増えている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、今年1〜9月の死者・行方不明者は3千人超で昨年を上回っており、過去最悪になるという。

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