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2017.04.11
シリアでの戦争に加担した大セメント企業
「ラファージュホルシム社」



 
 麻生セメント社と合弁関係にあり、スイスに本拠を置く世界最大のセメント・建材会社、ラファージュホルシム社が仏の2つの人権団体から提訴されている。シリアでの操業中にISおよび戦争犯罪に資金提供したという告発である。
 原告には11人の元ラファージュ・セメント・シリア社従業員も入っている。去る3月2日、会社は「安全操業のために第三者に金を支払った」と認めた。ラ社はシリアのジャラビイェ(Jalabiyeh)に工場をもち、セメントなどの建材を現地製造・販売、NATOから委託された地下施設工事への建材供給、また「反政府勢力支配地域」向けに操業を続けていた。この「勢力」はシリア人の組織というより、欧州を含む世界各地の戦闘員で構成される集団であった。

☆ この会社は仏ラファージュ社とスイスのホルシム社が15年7月に経営統合、昨年9月には3Dプリンターでコンクリート構造部材の製作技術を確立したと発表した。仏ラ社は1980年代に米アラバマ州で環境汚染の責任を問われ、裁判で当時、弁護士だったヒラリー・クリントン氏によって罰金を減額された経緯があり、現在の最高経営責任者もクリントン財団と親しい。

☆ 15年9月にシリア政府はロシア航空宇宙軍にISの地下施設の破壊に協力を要請したが、規模が巨大かつ頑丈であったため、予定の2倍の時間、半年かかったと報道されている。会社は撤退したが、工場跡は米NATO特殊部隊の施設として使用されているという。

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