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2017.06.20
暴力に訴える極右勢力 
ベネズエラ



 
 ベネズエラ各地で極右勢力が「独裁」を叫んで、マドゥーロ大統領罷免の暴力的抗議行動を展開している。4月からの騒乱で死者は70人を超えた。チャベス前政権時に天然資源および石油産業の国有化が行われたが、議会(一院制)は15年末の選挙で国内独占勢力が多数派となり、これを覆そうとしている。3月末からは最高裁と議会が当選資格の疑わしい議員3人をめぐって対立してきており、政府は「99年憲法」改正について制憲議会招集を提案しているが、反政府勢力は参加を拒否、街頭での「徹底的反乱」を主張している。ここ数年にわたって市民生活は、国際原油価格の下落、国内独占勢力による「経済戦争」で流通網が遮断され、モノ不足と高インフレにさらされている。商業メディアは「怒る群衆」「人権・民主主義弾圧」と伝えている。

 国内独占勢力は資源および産業の「民営化」を目的としており、OAS=米州機構および米系多国籍企業と結び付き、干渉政策を誘発させようとしている。米政府はオバマ政権以来、「ベネズエラは米国への脅威」として制裁を課している。一方、キューバ、ボリビア、ニカラグアなどの政府、地域統合をめざす各国の社会運動は「ラテンアメリカ・カリブ地域は平和地帯」宣言にもとづき連帯している。

 北米対ラテンアメリカ・カリブ海諸国の歴史の溝は19世紀の対スペイン植民地独立戦争以来、埋まっていない。米主導市場主義と地域統合によって、各国主権を維持しようとする努力と団結との衝突は継続中である。
 

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