パレスチナ解放機構(PLO)が結成された60年代半ば以来、抵抗運動が強まっていた最中の1967年6月5日、イスラエル空軍がエジプト、ヨルダン、イラク、シリアなどアラブ諸国を先制攻撃。6日間でイスラエルはシナイ半島、ガザ地区、東エルサレムを含むヨルダン川西岸、ゴラン高原を占領した(第三次中東戦争)。国連安保理は全会一致で決議242を採択、占領を無効としたが、イスラエルはこれを無視して支配と拡張を続け、今日に至っている。
今年に入ってパレスチナ領土におけるシオニスト入植地は、3倍に増加している。トランプ政権発足後、新たな入植地が無条件で進められており、年末までにヨルダン川西岸や聖地エルサレムに6万7千棟が新設される予定である。ゴラン高原にはすでに2万3千人のイスラエル人が居住している。
国連中東和平プロセス特別調整官は6月21日、「入植地建設の停止を求める決議2334が昨年12月に採択されたが、遵守に対する措置は全く講じられていない」と批判した。中東の地図を大きく変え、現在の国際情勢に影響を与え続ける「6日戦争」から今年は50年である。
この50年間に拘束されたパレスチナ人の総数は80万人超といわれ、被占領地に住む男性人口の40%に及ぶ。今も6千人超がイスラエル国内の刑務所に収監されている。イスラエルとパレスチナの力の差は歴然としている。一方は核保有国であり、他方は首相が西岸を出るのにも許可が要るという現実である。
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