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2017.07.11
拡大する上海協力機構 
NATOは内部矛盾に苦悩



 
 6月8〜9日、カザフスタンの首都アスタナで上海協力機構(SCO)の首脳会議が開かれた。中、ロシア、中央アジア諸国の安保協力から始まった当組織は今回のインド、パキスタンの加盟承認により、世界で人口最多、面積最大、東は中国の連雲港、西はロシアのカリーニングラード、さらに北極海とインド洋をまたぐ地域協力組織となった。「上海協力機構憲章」は二国間対立問題のために組織を利用することを厳格に禁じており、印パ、中印と二国間問題を含みながらも実務的協力関係および経済・貿易活動により、発展の道を進もうとしている。


 NATO加盟国でありながら、EUの圧力に反発するトルコも加盟を示唆したり、モンゴル、イランも関心を示している。またトランプ政権が4千人の増派を決め、戦争の長期化するアフガニスタンもオブザーバーから正式加盟国になる道を探っている。各国の関心は安保と経済発展との連結だ。


 一方で6月5日、バルカンの小国モンテネグロのNATO加盟が正式承認された(全29カ国)。トランプ政権が欧州各国に応分負担を表明する情勢下で、自国の国益が欧州大西洋国家と結び付くのか、対等の発言力をもつ加盟国になるのか、同国国民の不安は深刻だ。公式方針は加盟国の軍事費はGDPの2%としているが、1%以下の国々もあり、米国の負担に依存しており、根幹の「集団防衛」原則は揺らいでいる。さらに対ロシア制裁で損害をこうむっているのは米国ではなく、欧州各国である。
 

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