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2017.08.08
東ティモールの総選挙 
豊かな資源なのに最貧困



 
 東ティモールで7月22日、総選挙(議会定数65)が行われた。単独過半数に達した政党はなく、独立革命戦線(フレティリン)が30%超、再建国民会議(CNRT)が28%、引き続き両党で連携していく方針が示された。新政権発足は8月になる。国名は正式名称「東ティモール民主共和国」、99年に独立の国民投票が行われたが、インドネシアに軍事占領され、スハルト政権失脚後の2002年、グスマン大統領・アルカティリ首相を指導部に独立、国際法的にはポルトガルから独立した。今年は独立15年目である。


 1974年にポルトガルで植民地維持を主張した保守独裁政権が崩壊すると反植民地闘争を掲げた「東ティモール独立革命戦線(FRETILIN)」が独立を要求したが、当時のスハルト政権が介入、占領・併合直後から殺戮や飢餓で120万人ほどの人口の国で20万人が犠牲になった。国連総会では占領非難の決議が採択されたが、欧米・日・豪は占領を黙認した。500年にわたるポルトガルの植民地支配、インドネシアによる占領、抵抗闘争を経て経済は壊滅状態、同国の豊かな石油・ガス資源は国民生活を向上させるには至らず、国連によって後発発展途上国に分類されている。


 1972年のインドネシア・豪政府間の合意により、グレーター・サンライズ海底ガス田は豪領域に置かれて開発されており、未だに国境線の画定がなされていない。豪は02年に国連海洋法条約(UNCLOS)から撤退、交渉は進んでいない。
 

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