スウェーデン軍は9月11日から29日までゴットランド島を含むスウェーデン全土で、米、デンマーク、ノルウェー、仏、エストニア、リトアニア、非NATO加盟国フィンランドの各国軍と最大規模の合同軍事演習「オーロラ17」を行っている。2010年に廃止された義務制徴兵制度も18年1月1日から復活する。
同国は昨年9月に「全的防衛戦略」に転換、NATO加盟申請も視野に入ってきている。「平和のためのパートナーシップ」には94年以来参加、アフガニスタン、バルカン諸国およびリビアでNATOの軍務を果たしてきており、09年にはアフリカのマリでスウェーデン軍とその機材が使用された。中立主義はすでに放棄されている。
16年5月、スウェーデン議会がNATOの「駐留軍経費負担協定」を批准、領土内に軍機材を貯蔵、また危機時に部隊の通過および滞在が可能になった。同年6月には米国との間に戦力および相互作戦協力(インターオペラビリティ)の強化を狙う条約に調印した。年末には防衛省から各自治体に「対ロシア戦」への準備が通達された。16年?20年の防衛予算は過去5年の実績を大きく上回る総額2240億クローナ=約3兆480億円である。NATO非加盟国でありながらも現在、緊急即応部隊の一部を担い、世界のどこであれ紛争地に空輸部隊を出している。
議会内の8政党中7政党が「オーロラ17」に賛成しているが、左翼党と平和運動諸団体が反対しており、国民の大半はNATO加盟に反対である。
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