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2017.11.07
安定と混乱 
カダフィ政権 ビフォー&アフター



 2011年3月19日、東日本大震災後の不安のただ中にあった日本の状況からはるか離れたリビアに、サルコジ仏政府が軍事介入を宣言、米英と組んだ多国籍軍が空爆を開始した。オバマ政権下の米軍は「オディッセイの夜明け作戦」でトマホーク巡航ミサイル100発超を撃ち込み、仏軍は戦闘機を展開させた。カダフィ大佐による「大虐殺」を阻止するという名目であった。
 同年10月20日には大佐自身が身柄を拘束され、殺害された(ジュネーブ条約違反=拷問:処刑禁止条項、国連「即時処刑は違法」)。商業メディアは「独裁者の最期」として報道した。


 面積176万平方キロメートル(日本の4・6倍)、人口630万人、05〜07年の経済成長率は6・5%、2011年前の一人当たりの国民総所得は1万1040ドル、石油生産は日産160万バレルであった。
 一方、15年の経済成長率はマイナス6・4%、現在の治安状況は「危険レベル4」の退避勧告、日本大使館だけでなく他の国の大使館も閉鎖され、取材活動でも入国しないよう通達が出ている(日本外務省)。カダフィ政権時(1969〜2011)の国名は「ジャマーヒリーヤ」、「大衆による共同体制」の意味をもっていたが、米欧諸国は70年代から「テロ国家」と非難してきた。


 「政権転覆」は「独裁者・民主化・内戦」の大宣伝で隠された。国家的軍事介入は今も公然と行われ、外部傭兵組織も非公然に浸透している。一方、愛国的抵抗運動側の反撃も続いている。


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