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2018.03.13
飢餓再発の危機
南スーダン、国連が警告



 数十年の戦争を経て2011年にスーダンから分離独立したものの、南スーダンは13年以来の内戦で700万人、人口の3分の2以上が深刻な食糧不安に見舞われると国連機関が2月26日、発表した。南スーダンは陸上自衛隊施設部隊がPKO派遣されたが昨年5月までに撤退、日本外務省が渡航制限を出している国だ。
 すでに400万人以上が国外・国内難民になり、農地は壊滅的、その上に少ない降雨量・虫害で世界食糧計画(WFP)・国連食料農業機関(FAO)は来る5〜7月に極度の飢餓状態が起きると警告した。94年の「ルワンダ虐殺」以来の最大の人道危機である。


 地理的には豊かな国だ。64万平方キロ(日本の約1・7倍)の国土に白ナイル川が南北を貫いて流れ、流域には大湿地帯スッド、豊かな熱帯雨林が広がり、生物多様性を誇る。天然資源は石油・鉄鉱石・銅・クロム鉱・タングステンなど鉱産物に恵まれ、チーク材の森林資源も併せ持つ。石油埋蔵量はサハラ以南アフリカで3番目、国庫歳入の9割超を石油に依存する。しかし、内陸国のため北部のスーダンのパイプラインと製油所・港湾施設を利用して紅海に至らざるを得ないが、南北間の交渉は進展していない。そして、国民の暮らしは世界最悪とされる。
 乳幼児死亡率は1千人当たり135・3人、妊産婦死亡率は10万人出産のうち2千人超である。


 英領植民地からの長期の独立闘争、引き続く内戦と何度も破られる休戦協定、武装集団が闊歩する状況下で、PKOでは国民生活は向上しない。


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