ティラーソン米国務長官が、3月13日解任され、後任にポンペオCIA長官が任命された。新CIA長官は「秘密監獄」「拷問」で悪名を馳せた人物である女性のジーナ・ハスペル副長官が担うことになる。続いて15日には米財務省がロシア企業と情報機関に対する新制裁措置を発表した。河野外相は「国務長官不在」の訪米に出発、国務長官代行の副長官との会談となった。
ティラーソン氏は1年4カ月の任期の半ばからトランプ大統領と外交政策において不一致があったことから更迭は公然化していたが、今というタイミングに関心が集まっている。元長官が米大統領の「クソだめ」発言をなだめるかのように「パートナーシップ」を強調してアフリカ5カ国を歴訪した直後、16年米大統領選挙やロンドンでのスクリパル氏事件についてロシアに対する敵対視が米欧で高まる中、また朝鮮半島をめぐる情勢で米朝会談の可能性が緊急浮上した時期である。また、元長官が中国の経済・投資活動について品位を落としめる発言を続けている中である。
新国務長官のポンペオ氏はカンザス州選出ティー・パーティーの元下院議員、15年イラン核合意に反対、政権転覆擁護でも知られる。また米国家安全保障局(NSA)の市民監視プログラム支持、グアンタナモ刑務所閉鎖反対、「拷問者」を愛国者として擁護もしてきた。☆ マクマスター大統領補佐官の交代が間近と言われ、国務次官の辞任など国務省の機能不全なども伝えられる。米外交政策が揺れている。
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