3月22日は「国連水の日」だ。この日を含んで3年ごとに「世界水フォーラム」が開かれており、今年はブラジルのブラジリアで18日から23日まで第8回フォーラムが開催された。
主要テーマは「水の共有」であった。イベントは96年に設立された民間シンクタンク「世界水評議会(WWC)」(本部マルセイユ)と主催国の共催であるが、世銀に支援された企業寄り、民営化志向である。水資源の商品化をめざす「企業のフォーラム」に対抗して同時に「もう一つの世界水フォーラム(FAMA)」も3月17日?22日にかけて、開かれた。
世界の「3大水メジャー」という仏・英の巨大民間企業をはじめ、米GEやIBM、独シーメンスも含め、多国籍企業の企業買収は猛烈に進んでいる。 水利事業とインフラ建設、水源開発、上水道供給、海水の淡水化、データ管理、水質のクラウド手法利用など幅広い関連業界で展開され、日本企業も官民連携(PPP)やコンセッション(公設民営)の形態をとり三次処理、漏水防止、汚泥の資源化、淡水化技術等で水ビジネスに参入している。
一方、水の惑星といわれる地球の「水の危機」は人道危機にまで達している。第4回フォーラム(06年メキシコシティ開催)以来、「水は人権」を掲げて諸国民の「水運動」が「利益優先」の民営化路線に対抗して進められてきている。環境汚染と安全な水の欠如、洪水と干ばつ、灌漑用水不足による食料危機、気候変動、これらは技術上の問題でなく、政治課題である。
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