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2018.05.01
国際機構は機能不全
シリア侵略戦争正当化の“理由”

 4月14日、シリア時間の午前4時、海と空から105発の米英仏ミサイルが発射され、住民の頭上に降り注いだ。「シリア政府軍の化学兵器使用が断定された」という理由からである。

 2011年に対シリア侵略戦争が始まって以来、「化学兵器使用」の主張は何度も繰り返されてきた。今回も化学兵器禁止機関(OPCW)チームの現地調査が始まる前に攻撃が行われた。英国では議会の事前承認なく軍事行動が行われたことに対するメイ首相への批判が高まり、仏では、戦争は「『イスラム国』に限定されていたはず」と主張する最大野党・共和党による非難でマクロン政権は窮地に立っている。

 また米国防総省が「攻撃は成功」と発表する中で、首都ダマスカス住民が、迎撃されたミサイル数を知って「米英仏攻撃は失敗」と歓喜したと報じられている。シリア側の発表によれば、ガン研究施設が標的になったという。
 今回の軍事攻撃について、国連安保理は中ロの拒否権で決議を出せず、15日に開かれたアラブ連盟(21カ国・1機構)首脳会議でも共同声明に統一見解を盛り込むことができず、14日の米州首脳会議(OAS)でも「軍事紛争拡大」に懸念が出された。

 「アサド政権が自国民を殺している」「毒ガスを使用した」は繰り返された主張だ。「ミッションは完全に成功した」もイラク戦争以来、何度も発表されてきた。「フェイク(=偽)ニュース」も日常化した。シリアが地中海への出口に位置していること、ここに外国勢力介入の理由がある。

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