7月16日、フィンランドの大統領公邸(ヘルシンキ)でトランプ米大統領とプーチン露大統領が会談した。議題は両国関係、戦略兵器削減条約更新、米MD、宇宙での兵器展開、地域紛争等の国際関係であったが、商業マスコミは肯定的に捉えず、批判を続けた。「半数評価せず(毎日)」、「プーチンの肩持った裏切り者トランプ、EUもNATOも敵に回した(ニューズウィーク)」、「トランプ大統領の発言は反逆にほかならない(ブレナン元CIA長官)」、米国内は「トランプはプーチンに擦り寄った」と騒然としたというものである。
米司法省は7月13日、首脳会議直前、12人のロシア人情報機関関係者を米大統領選に介入、情報操作してヒラリー・クリントン候補を邪魔した容疑で起訴、身柄引き渡し要求まで示唆した。米メディアの民主党寄り姿勢が露呈している。
両首脳の、とりわけロシア側の関心事は両国関係の緊張緩和、欧州におけるNATOの敵対的軍事展開を抑えることであった。トランプ大統領も会談後の記者会見で「ロシアとの建設的対話は世界の平和と安定に向かう新たな道を開く」「政治を追求するため平和のリスクを犯すより、平和追求のための政治的リスクを選ぶ」、同時に「今日の会議は長い過程の出発点だ」と述べた。
NATOは、米ロ首脳会談に先立つ首脳会議で欧州での即応体制強化を盛り込んだ共同宣言を採択、加盟国の国防費支出拡大を評価するとともに、いっそうの増額を示唆した。
(富山) |