オーストラリアでは、8月24日の2回目の与党自由党党首選挙(党所属議員85人)でスコット・モリソン財務相が45対40の得票で新首相に選出された。豪は日本と同じく与党党首が首相となる。自由党では内紛が続き、過去10年で党首が6人替わっている。新外相にはペイン国防相が起用され、ダットン内相は引き続き内相を務める。初の外国訪問はインドネシアでジョコ大統領と会談した。
モリソン新首相は前政権で移民/警備相・社会政策相・財務相を務めたが、2013年には移民船を不法な「密航船」として追い返すなど厳しい措置をとり、難民申請者とその子どもをクリスマス島、マナス島、ナウルに収容し、非人道的な状況下に置くことを看過し、また14年には社会保障政策全般にわたって予算を削減、貧困層、高齢者、障がい者、豪先住民が狙い撃ちされた。財務相として財界を優遇、労働者の賃金凍結は長期にわたっている。ターンブル元首相は辞任して引退、補欠選挙が行われる。現保守連合政権は上院で過半数を持たず、下院では半数+1の議席を持つに過ぎない。次期総選挙は来年5月までに行われる予定である。
7月末、日米豪「3カ国パートナーシップ」が発表され、インド太平洋地域で連結性を高めて開発に取り組むことが合意された。アフリカ東海岸から豪、ハワイにいたる地域でエネルギーと輸送、観光、テクノロジー部門に集中的に投資することになる。3国は「地域の平和と繁栄」として中国を競合国として対抗しようとしている。
(富山) |