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2018.09.18
米、トルコ関係
同盟国を失うトランプ政権


  トランプ政権およびエルドアン政権の関係が悪化している。通貨リラの対ドル相場が急落、過去1カ月で2割、年初からは4割強に達した。食料品高騰など消費者にはインフレとなって波及、さらに9月1日、電力当局が産業用14%、家庭用9%の電気料金値上げを実施した。対立は2016年のクーデター未遂事件を巡り、米国人牧師およびトルコ宗教指導者の関与、その釈放問題から表面化した。米国の経済制裁措置にトルコは報復関税、最大被害者は国民である。


  一方で両国政府はNATO同盟国でありながら、シリアでの戦争で不一致、米政権はイラン敵対関係を背景にイスラエル、サウジアラビアに接近、トルコはロシア、イランに近づいている。「クルド人問題」では米国がトルコ・シリア国境地帯でIS勢力追放のためにクルド人民保護部隊(YPG)およびシリア民主軍(SDF)を支援、トルコ政府はYPGをクルド労働党(PKK)と同列と見なしてその支配地域であるシリア北西部に軍事侵攻している。

 トルコ国内での野党勢力への弾圧も強化、新聞社、大学への介入、公務員パージなど投獄者は8万人と報道されている。両国政権は第二次大戦後、同盟関係を維持してきた。朝鮮戦争にトルコは2万人超の兵員を派遣、アフガン、イラクの戦争では米爆撃機・兵員輸送に基地を提供、インジルリク空軍基地は米軍専用、核兵器が配備されている。


 国民は結局、戦争政策についても経済政策についてもエルドアン政府も米政府も支持していない。

(富山)
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