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2018.10.23
朝鮮半島非核化へ
和平が着実に前進
  朝鮮を訪問したポンぺオ米国務長官と金正恩・朝鮮労働党委員長との10月7日の会談で、プンゲリ核実験場解体を確認する査察団の受け入れで合意した。同実験場は5月24日に爆破されたが、米国専門家の立会いがなく「見せかけ」などと批判されていた。

 さらに金委員長は、ヨンビョン核施設についてプルトニウム生産施設だけでなく全施設の廃棄を明言した。ヨンビョン施設廃棄もすでに9月の南北首脳会談で表明していたが、廃棄対象をさらに明確にした。一方、ポンぺオ長官も会談後の記者会見などでは「核のリストの申告要求」には言及していない。

 日本政府関係者とメディアは、「核リスト」提出と「朝鮮戦争終結宣言」が対立のまま交渉が停滞という見方を強調している。しかし「米国の相応の措置」が未だ公表されていなくても朝鮮が譲歩し、他方でトランプ大統領も「第2回米朝首脳会談」は近いと明言し、着実に前進している。

文韓国大統領の働き
 局面打開は、韓国の文在寅大統領の努力によるところが大きい。

 文氏は9月のピョンヤン南北首脳会談で「年内の終戦宣言を韓米首脳で協議する」と表明した直後、国連総会の場でトランプ大統領と会談し、「相応の措置」として人道支援や「北に米国の連絡事務所設置」などを提案した。

 金・ポンペオ会談でも、ブンゲリ査察団などの活動拠点として米国の連絡事務所の平城設置などが話し合われた可能性がある。第2回朝米首脳会談に向けて、今月15日には両国の実務者協議がウィーンで開始された。

 なお、10月8日に北京で行われたポンペオ長官と中国の王穀外相との会談では、台湾近辺での軍事緊張や貿易戦争の応酬に終わり、朝鮮半島非核化の協議には入れなかった。
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