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2019.01.22
自由で開かれたインド太平洋
自立を求める太平洋諸国民
 
 トランプ米政権は昨年5月、旧来の「アジア太平洋軍」から「インド太平洋軍」へと名称変更した。一方の安倍政権は、声を合わせて「自由で開かれたインド太平洋」構想をもちだしている。担当エリアは太平洋・インド洋、オセアニアの広範な地域である。

 2019年、最初に新年を迎えた国は日付変更線直近のキリバス共和国である。発見者の英人の名からギルバート諸島と名づけられたが、1979年、「キリバス共和国」として独立した。次に新年を迎えたのはトケラウ諸島である。1976年に「ユニオン・アイランズ」から改称、ニュージーランド領にとどまっている。

 オセアニアの島々の「発見」や「独立」はもっとも新しいが、歴史は古い。紀元前5万年、海面の低かったころに東南アジア・南インドから人々が現パプア・ニューギニア島とオーストラリアに達し、紀元前数千年のころには台湾、フィリピン、インドネシアの島々から人々が移動してきていた。

 欧州人が南太平洋に入ったのは16世紀以降である。欧州人による「発見」以後は保護領・植民地・核実験場となり、住民は収奪される側に置かれた。1945年から1996年まで米英仏は、ビキニ、エニウェトク、クリスマスの島々、ムルロア環礁、ファンガタウファなどで250発超の核爆弾を実験した。年平均5回以上である。

 南太平洋諸国8カ国が「ラロトンガ条約=南太平洋非核地帯条約」を締結したのは1985年、米英仏が調印したのは1996年である。
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