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2019.02.05
ベネズエラ、米と国交断絶
エクソンモービル社の関与
 
 カリブ海諸国を緊張させる事態が生じている。とりわけベネズエラについては「リマ・グループ」諸国の親米アプローチ(=マドゥーロ政権の正当性否認)、ブラジルのボルソナロ政権成立とガイアナの政変など米政権追随の変化が起きている。またオリノコ川河口付近でエクソンモービル社の海底石油探索船が操業、ベネズエラ当局に追い払われるなど挑発行為も続いている。

 昨年夏には、米南方軍がカリブ海で英仏兵員を含む3000人規模の訓練を行った。1月に米政権に支援された右派議員フアン・グアイドによるクーデター未遂もあり、23日、マドゥーロ政権は米国との外交関係断絶を決定、72時間以内の米外交官の帰国を要請した。背後に石油利権が絡む。

 2015年、エクソンモービル社がベネズエラと隣国ガイアナにかかる海域で石油埋蔵を確認、探索が続けられている。ガイアナは英連邦に属し、メイ政権はEU離脱以後の新たな足場をこの地域に探っている。歴史的経緯から人口の40%はインド系住民、30%はアフリカ系住民、20%は混血、10%は先住民という構成である。

 オランダ西インド会社管理下におかれ、次に英のプランテーション経営で植民地化され、19世紀にエセキボ川の西地域をめぐってベネズエラと対立し、現在に至る国境問題を抱えている。領域は森林地帯でガイアナの国土の約3分の2、ベネズエラの面積の6分の1を占める。

 トランプ政権は中東からの軍撤退を示唆しつつ、西半球では戦争遂行政策を進めている。
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