インドネシアで4月17日に行われた大統領選挙の結果が1カ月にわたる開票作業を経て5月21日に発表され、現職ジョコ・ウィドド大統領(57歳)が55・50%を獲得し、再選された。選挙は有権者1億9千万人、投票所数81万3千カ所の規模であり、投票箱はロバ・船・ヘリによって選管の管理下で運ばれた。
しかし、対立候補のプラボウォ・スビアント元陸軍戦略予備司令官(67歳/44・50%)は結果発表前から不正を訴え、認めない姿勢を示してきており、22日、支持者が首都ジャカルタの政府機関の前などで抗議活動、暴徒化し、警察との衝突で6人が死亡、500人超が負傷し、車両や露店、公共施設への放火の疑いで250人以上が逮捕された。一部は金を受け取っていたらしく、背後関係が捜査中だ。大統領就任式は10月、この間に内閣改造や国会議長選出などが進められる。
現職大統領は過去5年間、経済成長5%、物価安定、就学支援、インフラ整備などで低所得者層からの支持を得た。今後は宗教や民族、社会的弱者に配慮した「多様性の中の統一」「寛容」を実現していくなかで、首都移転・32年夏季オリンピック招致に取り組むことになる。
面積は日本の約5倍、1万3千超の島からなり、人口2億5500万人、イスラム教徒が87%を占め、輸出入ともに中国が最大相手国である。香辛料を求めるポルトガルが征服、のちにオランダ領東インドとして支配され、日本軍政下にもおかれたが、独立戦争で勝利した。 |