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  4. 2019.08.06

フランス
深く進行する「黄色いベスト」運動

 7月14日はフランス革命記念日であった。オープンカーから街頭の人々に手を振るマクロン大統領、例年の軍パレードの先陣を切った。パレードが終わりかけた後であった。警察が「黄色いベスト」を来たグループめがけて催涙弾を放ち、150人を逮捕、うち2人は指導的人物で禁止デモを行った容疑で拘束された。

 昨年11月、燃料税引き揚げに反対、数十万人を動員する全国的抗議運動が始まった。すでに9カ月連続、毎週、土曜日、法律で車両にのせるよう義務付けられている蛍光色のベストを着た市民が直接行動に出ている。すでに死者・負傷者も出ており、警察に加え、憲兵隊も出動している。アムネスティー・インターナショナルは「過剰警備」と糾弾している。

 「ブラック・ブロック」と呼ばれる過激な集団も紛れ込んでいる。暴力的なデモには参加せずに静かな抵抗を続ける市民が多数だ。デモ参加者は仕事の後、あるいは前に、または休暇をとって街頭に出かけ、職場の部屋のコートかけに黄色いベストを掛けて意思を示している。年金生活者・高校生も加わっている。世論調査によると欧州議会選挙時、仏国民の7割以上が社会の根本的変革を望んでいるという結果が出た。

 デモはSNSの呼びかけで開始されたが、運動側の6月22日のプレス声明では、(1)政治制度の根本的変革、(2)金融的・社会的正義の確立、(3)社会保障の強化および(4)環境を守るが提起され、指導的人々は争点をまとめる一つの組織を作りたいと発表した。

         
  
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