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  4. 2020.04.14

空母セオドア・ルーズベルト
ペンタゴンも揺るがしたコロナウィルス
 
 エスパー米国防長官は、トマス・モドリー海軍長官代行が4月6日、書面で謝罪、辞任の申し出を7日承認、ジム・マクファーソン陸軍次官を新任させた。

 空母セオドア・ルーズベルトのブレット・クロージャー艦長が、艦内で発生したコロナウイルス感染者検査のため国防総省に宛てた乗組員の下船・隔離の要請文書が米メディアに流出した責任を問われ、4月3日にモドリー氏が艦長を解任した経緯があった。

 長官代行はグアムに停泊中の空母で艦内に残っていた乗組員を前に元艦長を「ばか者」と呼び、「きわめて貧弱な判断」と非難したのである。元艦長は密閉空間の中での急速な感染拡大の危険を認識、「今、戦時にいるのではない。乗組員は死ぬ必要はない」と訴えたのである。

 空母は3月6日にベトナム・ダナンに寄港、住民と交流行事、24日に最初の感染者(複数)が発生、翌日にその数は増加、28日、グアムに停泊後、約100人が下船した。31日に米メディアが文書を報じ、4月1日、海軍は約5000人乗組員全員の検査を命令、下船させ、艦内には原子炉と消火系機材担当者400人だけが残った。空母を去る元艦長に乗組員が集まり始め、「キャプ・テン・クロー・ジャー!」を連呼した。 

 4月6日時点で艦内では173人の感染が確認された。大統領選挙運動中の民主党バイデン氏は「真実を語ることに対する恐ろしいメッセージだ」、海軍元幹部は「指揮官を萎縮させる介入」と辞任を支持した。
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