貴重な農業体験した消費者と生産者が交流
100名の仲間で賑ったまつり
全国農業問題連絡会(岩中伸司会長)は11月10、11の両日、蓮沼ガーデンホテル(千葉県山武市)で第16回総会・視察交流会を開きました。総会には1道9県から28名が参加、「ファームげんのじょう収穫感謝祭」(千葉県横芝光町)への参加やトマトハウス視察、横芝埴輪祭りなどを見学し、楽しく、貴重な農業体験を学ぶことができました。
視察先の「ファームげんのじょう収穫感謝祭」(秋元憲実行委員長)は、「ファームげんのじょう」(秋鹿好生園長)が呼び掛けたお客さん(消費者、利用者)をはじめ、「千葉農業に親しむ会」のメンバー、農業問題連絡会一行、近くの農家など100名近い仲間で賑いました。
収穫感謝祭は毎年1回、農産物の収穫とお客さんへの感謝の気持ちを込めて開催しているもので、今年で19回目とのことでした。
秋鹿園長が「今日は全国農問連の皆さんが私らの収穫祭を見学に来ています。気安くお付き合いください。テーブルを囲んだら皆友達です。楽しんでやりましょう」とバーベキュー交流会の開始を宣言。しばらく各テーブルでカンパイと懇談が続いた後、「じゃんけん大会」や「ビンゴゲーム」などを行い、会場は笑いと歓声に包まれ、大いに盛り上がりました。
とりわけ初参加者を紹介するコーナーでは「結婚5年目の記念日に子ども連れで参加しました。いつも美味しくいただいています」と自己紹介した若夫婦には温かい拍手が巻き起こり、「祖谷(
いや)の粉引き歌」を謡いあげた満寿川誠さん(徳島)には感嘆の拍手が、『私のエコひいき農業』を自費出版した堀俊一さん(千葉)には尊敬の拍手が寄せられ、参加者の一体感が大きく高まりました。
全国農問連は、消費者への産地直送直売運動が、@生産者と消費者が価格や品質、食べ方、料理方法、生産方法、農家の苦労などについて話し合うチャンスになり、A消費者は、安全・安心、新鮮な農産物を継続的に手に入れるチャンスになる。また、生産者が消費者の心をつかめば、B消費者は、農家への信頼と農業への理解を高め、生産者は、販売先と安定供給先を確保でき、生産意欲を高めることができる。その結果、C農業サポーターを育成、拡大できる。
それが農業を後押しする大きな力になるという産直運動(生産者と消費者の提携、連携)が、「ファームげんのじょう」ではどうなっているか?
その実態を学ぶために今回の視察交流会を企画しました。事実は、まさに期待以上でした。
参加団体からも「すばらしい。消費者と生産者が和気あいあいで交流し、絆を深めていることがよく分かった。うちもやらんといかんね」(荒尾農業を考える会)、「収穫感謝祭の司会、運営、プログラム作成など10年前とは比較にならない充実、発展ぶりだ」(兵庫農業問題懇話会)など感動の声が寄せられました。
世界食糧デーを統一行動日に
さて、総会は、議長に鍋島浩一さん(兵庫農業問題懇話会)を選出し、蓮沼ガーデンホテル会議室で開かれました。
岩中会長は「TPP11や日欧EPA、そして日米TAG交渉などで農産物の自由化がどんどん進んでいる。農業を取り巻く状況はほんとうに厳しい。農問連の活動を全国に広げて農業を守っていかねばならない」と出席者に呼びかけました。 続いて上野建一新社会党顧問、長南博邦党中央本部書記長、石井俊雄党千葉県本部委員長から激励と歓迎のあいさつを頂き、議事に移りました。
河村洋二事務局長から2019年度活動方針として、@次年度の第17総会・視察交流会を「耕しや」(たがやしや、兵庫県篠山市)で行うこと。ATPP反対行動を継続すること。B「TPP違憲訴訟の会の会員拡大」、C「企業にも森林環境税の徴収を求めるはがき行動」、D種子法を復活させる取り組み、E10月16日「世界食糧デー」を全国農問連の統一行動日とすること。Fそのための財政活動(グッズ販売など)に取り組むことなどが提案されました。
来年は丹波篠山で視察交流会
また、役員改選では@鳥居隆太郎さん(副会長、京都)、河村洋二事務局長(徳島)、竹谷公男会計担当(徳島)の退任と、A新役員として副会長に河村洋二さん(徳島)、事務局長に竹谷公男さん(徳島)、会計担当に春田洋さん(徳島)、幹事に植林成光さん(奈良)を選出の提案がありました。
提案を受けた討論では、「労農提携でなく農業者からの呼び掛けによる生産者と消費者の提携にしていく必要がある」(奈良)、「秋田農業問題研究会を再開したい」(秋田)、「農業問題の重要性を考えれば財政づくりは、本部財政の中に一定のワクを確保するべきではないか」(北海道)、「荒尾農業を考える会は会費制にしている。農問連も会費制にする方法もある」(熊本)
「年間200万円の直接所得補償で日本の農業農村を再生できると思って昨年提案させていただいた。集落営農や兼業ではむずかしい。議論を深めていきたい。ところで来年は私のところ(丹波篠山)が視察交流会を受け入れる予定になっているが、できる限りの準備をしたい。全国の皆さんの参加をお待ちしています」(兵庫)。
議案を補強する意見が出され、役員体制も含め全体の拍手で全議案を確認。なお財政づくりについては幹事会で議論していくことを確認、最後に岩中会長の団結頑張ろうで総会を終了しました。。
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