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 2019.02.26
あれから9年目 深刻な事態続く
デブリは取出さず 封じ込めがベター

デブリの行方
 福島第一の事故から3月11日で8年だが、事態は少しも改善されていない。メルトダウンした核燃料(デブリ)は、どうなっているかも、まだごく部分的にしか分からない。

 比較的に接近・探査しやすい2号機の様子を遠隔操作のカメラに収めたものの、燃料、被覆管、制御棒、圧力容器(原子炉)、格納容器の金属とコンクリートなどが、どのようなデブリを構成し、どんな硬さでどう分布しているのかも不明だ。

 3月中には専用機器を取り付けたパイプを投入してデブリの硬さなどを調べ、19年度からはロボットアームでデブリを数グラム程度採取する計画である。強い放射線を被曝して機器も故障するので、この程度の試行もなかなかはかどらない。 

 ましてこれらを全部切り取って持ち出すとなると、どれほどの労働者が犠牲になることか。また、閉じ込められている死の灰をどれほど拡散させることか。

核燃料取出し
 デブリは外に持ち出さずに、遮蔽し封じ込めるのがベターだ。途方もない経費と時間をかけてデブリを持ち出し、廃炉を解体撤去するのは、独占資本の儲け策でしかない。

 デブリだけではない。原子炉建屋上部のプールには健全なはずの核燃料が置かれたままで、取り出し、外の集合プールに納めることさえままならぬ。

 爆発した際の放射性物質が建屋内を強く汚染しており、燃料棒を取り出す際にその飛散を防ぐ工夫も、作業員の被曝を抑える工夫も大変だ。まずは3号機から昨年に取り出しを開始する予定だった。

 しかし、トラブルが続き、取出しは延期に延期を重ね、3月に開始できるかも怪しくなっている。