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『沖縄・辺野古から見る日本のすがた』
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玉城デニー氏の沖縄県知事選立候補に伴う衆院沖縄3区の補欠選挙は4月9日告示、21日投票で闘われ、屋良朝博さんが圧勝した。沖縄3区は名護市や沖縄市など本島北部が選挙区で、焦点の新基地建設を巡って安倍政権が土砂投入を強行している辺野古の海がある。補選は当然、新基地建設・土砂投入が最大の争点となった。
その補選告示を前に、ブックレット『沖縄・辺野古から見る日本のすがた』が出た。第一刷りは2月末、編集は「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」、発行は8月書館、定価は本体800円プラス税。一般書店、アマゾンで購入できる。
100ページのブックレットの構成は、「まず『沖縄の戦後』を知る」でジャーナリストの前田哲男さんが、沖縄の米軍基地は「銃剣とブルドーザーで住民を追い立てて」造られた「特異性」から説き起こす序文的第1章で始まる。
そして、前田さんは、「このブックレットは『辺野古のいま』についての最新報告でもある。読み、また携えて、辺野古闘争に参加されることを切望してやまない」と結ぶ。
第2章は、新基地建設の違法性や軟弱地盤の存在、大浦湾の活断層の可能性などを入念な調査によって明らかにし、反対運動の理論的支柱の1人、北上田毅さん(沖縄平和市民連絡会)の「辺野古新基地建設が頓挫する2つの理由」だ。副題は、「軟弱地盤問題」と「県外からの埋立土砂搬入ができなくなる」。
北上田さんはこの中で、「知事の承認を得ないまま工程を変更し、辺野古からの埋立開始」などの違法工事や行為、「土砂の性状の“重大な疑義〟」「防衛局が隠し続けていたマヨネーズのような超軟弱地盤の存在」「県外からの土砂搬入で危惧される特定外来生物の侵入」などを明らかにする。
第3章は、専修大学の白藤博行さん(行政法研究者)の「辺野古争訟で問われる法と正義」。白藤さんは、「沖縄県の埋立て承認撤回の正義」を明らかにした上で、「国の『私人・国民なりすまし』の不正義」を徹底的に暴き、糾弾する。 第4章の飯島滋明さん(名古屋学院大学=憲法・平和学研究者)は「日本の安全保障」と題して、安倍政権の「戦争する国づくり」の中で沖縄の位置、辺野古新基地建設の強行、「強化される沖縄の自衛隊」の実態を明らかにする。
第5章は弁護士の佐々木健次さんが「日本の主権はどこに―私たちをとりまく日米地位協定」で、我が物顔でしたい放題の米軍、米追従で人権蹂躙の暴挙を沖縄県民に平然と繰り返す安倍政権、その背後にある日米地位協定の理不尽さを暴き、NATO軍・米軍に対して国内法を適用するドイツ、イタリアとの違いを指摘する。
最後の第6章は山城博治さんへのインタビュー。公務執行妨害と傷害容疑で5カ月を超える拘留で弾圧された山城さんが話す数々のエピソードは、「この国の姿」を浮き彫りにする。
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