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反当り10万円の保障を
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30年ほど前に夫婦ともども教員生活に別れを告げ、岡山県境の山村に入植して自然養鶏を主に、知恵とたゆまぬ努力で安定した農業基盤を築いてきた今井和夫君。 その彼が2年前に宍粟市の市議に当選した。
近年の耕作放棄地の広がりに危機感を持ち、日本はほんとうに取り返しのつかないことが急ピッチで進行している。毎年のように農地が耕作放棄になっていく。 このままの農政が続けば、20~30年後には日本の農地は半分以下になっている。一度荒れ果てれば、簡単には元に戻らない。農地を潰してしまっていいのだろうか。悩んだあげくに、政治の力で何とかならないだろうかと市議会議員になったのだ。 何千年もかけて先祖が備中鍬ともっこを担いで、血と汗で荒地や山林を開墾して生きるための農地を確保してきた。これを潰すわけにはいかないと。 安倍首相は地元山口の棚田を見て「この息が止まるほどの美しい田園を守ります」とか「農家の所得を2倍にします」とか。ほんとうにあきれる。 今国会で審議されている棚田法案では、肝心の所得をどう確保して棚田を持続可能にしていくのか、直接所得補償を意図的に抜いている。 政府は特産品作り、六次産業化、イノベーション、輸出、儲かる農業と耳触りの良い方針を垂れ流しているが、競争に生き残ったごく一部の者しか残らないのでは、日本の農業・農地は潰れる。 基本給が保障されなければもう一つの道、荒野を目指した若者も農業では暮らしていけない。 今、その今井和夫議員が反(10アール)当り10万円の所得保障制度を訴えている。条件不利地の中間山地では3ヘクタールを耕作するのがやっとなのだ。300万円あれば若者が定着でき農業で生活でき子どもも増える。 学校が復活して、お金は地元で使われるので地域経済も好転する。 中間山地の農地は、97万ヘクタールだから9700億円でできるのだ。この20年間ほど政府は少子化対策として策を弄してきたが、効果が全く見えない。
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