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  4. 2020.06.09
専門病院設置が有効
検査の飛躍的拡大を ~「第二波」への対策急げ~  
つなぐ神戸市会議員団

早期発見・入院がカギ
 「つなぐ神戸市会議員団」(浦上忠文団長)は5月22日、久元喜造神戸市長と小原一徳健康局長に、新型コロナウイルス感染の「第二波襲来に向け、緊急事態宣言を繰り返さないために」とする緊急要望を幹事長の粟原富夫議員が提出した。

 「要望」はまず、兵庫県が5月13日に発表した第二波襲来に備えた「最悪の想定」に基づくとする医療提供体制には「大きな疑問」があるとしている。

 県の発表は、新規感染者が1日当り最も多かった4月11日の42人をベースに一定の条件で試算したもので、「その時点で重症者用71床、中等症以下用438床、軽症や無症状の人が療養する宿泊施設700床を確保」とし、「23日目に重症者が73人と現状能力を上回り、中等症以下の入院は最大約200人、療養者は最大約500人と現状能力を下回る」とする。その結果、県は、「重症者用ベッドの確保が重要」と結論づけている。

 これに対し、「要望」は、「この間の世界の患者数の推移の分析から、患者は足し算で増えるのではなく、指数関数的に増える(雪だるま式に増えるような状態=編集部注)ことが明らかになっている」と指摘。

 「今後、緊急事態宣言のような、社会にダメージを与える対処方法を繰り返さずに第二波に対応するためには、PCR検査や抗原検査の拡大で早期に患者を把握して入院させるとともに、重症者用ベッドの数を飛躍的に増やす必要がある」と提言する。

 その上で「要望」は、検査を希望する患者に無条件でPCR検査などが行えるよう態勢を拡充・拡大するため、「市内1カ所から最低区内1カ所への設置拡大。その際、外来・検査センターの設置費用について市の負担の検討」を求めている。

 また、拡充・拡大のため市内にある理化学研究所、大学医学部、理学部、薬学部、農学部などの研究室でPCR機器を持っているところを調査し、協力を求めることを提案。 医療関係者・介護施設従事者など感染リスクの高い職種の定期的な検査、入院患者や妊婦についても全員検査を求めている。

 医療提供体制について「要望」は、重症者用ベッドの拡大について民間病院の協力を求めるというが、それは限界に近いのではないかと指摘。「歴史的にも感染症対策は公立病院の使命。神戸市立病院のどこかをコロナ専門病院に転用することが必要」と提案。「専門病院の設置は、院内感染の防止や救急医療や高度医療など神戸市全体の医療体制を守るためにも必要」とする。

 さらに、専門病院の設置は、医療スタッフの負担軽減や医療資源の有効活用、臨床例の情報管理、医療スタッフの習熟などが期待できるとしている。