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  4. 2019.04.30

統一自治体選 後半戦の結果
新たな地歩 
米沢市は3議席を回復
 選挙終盤で自民党首脳から消費税増税見送り論が出るなど、まさに参議院選挙の前哨戦としての統一自治体選挙が4月21日投票で行われた。もちろん、国政課題だけではない各自治体の条件に合わせた政策と運動の結果が当落に現れた。新社会党は共闘も含め、新たな地歩を築く結果を得ることができた。

 四国では4県の県都中、3市で新社会党議席を確保しようと徳島市と高知市で果敢な挑戦を行った。高知市の中野勇人さんはもう一歩及ばなかったが、徳島市では春田洋さんが初挑戦で党の初議席をトップ当選で飾ることができた。

 TPP11や自由貿易の犠牲が農業に押しつけられるなか、農協や農業運動を通して、また自ら農業を営み、命を育む農業の大切さを訴える春田さんの姿が有権者に響いた結果といえる。

 山形県米沢市では党の3議席を回復することができた。山形県置賜地方の中枢都市として豊かな歴史と先進的な工業を誇る米沢市も、グローバル時代や東京一極集中が進む中では苦闘している。党所属議員は市民の福祉向上に汗を流すとともに、市民と野党の共闘における原動力として役割を果たしてきた。この選挙結果は、夏の参議院選挙に向けて大きな前進を勝ち取ることができたといえる。

 熊本県荒尾市では党公認現職県議の落選にめげず、逆に危ぶまれていた党公認市議4人の完勝につなげた。

 千葉県佐倉市でも数少ない公認現職の後継者を公認候補として定数の5割増の立候補者の中で、出身労組の強い支援も得て初当選させることができた。

 北海道では手堅く現職の議席を確保するとともに、2自治体で新人をそれぞれ当選させ、地域での運動の積み上げの力を見せた。

惜しまれる次点の4人
 惜しかったのは前回現職を1人落とした兵庫県芦屋市。複数議席復活を目指してこの4年間努力を重ねてきたが、今回は現職と元職が入れ替わる形で1議席にとどまったことである。

 また、豊島区議選では衆議院補選に関わり、生まれも育ちも異なる豊島区で立候補した赤坂珠良さんは、まさにゼロからの出発。羽田空港拡張で区の上空を低空で飛行する問題を中心に議会改革や待機児童問題などを訴え、まさにあと一歩まで迫った。

 さらに前回公認議席を失った茨城県土浦市で70歳の初挑戦となった坂本繁雄さんも、東海第二原発再稼働阻止運動や高齢者福祉の実践家としての実績で、1年近くの運動にも関わらず惜しくも次点にとどまった。近江八幡市でも次点だった。

世田谷区で区長を守る
 東京都の区長選挙では長く信頼関係がある世田谷区の保坂展人氏が圧勝で3選を飾った。しかし、党が関わった大田、板橋、北、中央の各区長選は新人が現職や現職後継に挑んだが惜敗に終わった。

国政選挙にすぐ備えを
 今回の統一自治体選挙での強さと弱さを見つめ、次の自治体選挙の展望を開くとともに、雇用と社会保障の充実、憲法改悪阻止に向けて引き続き参議院選挙と解散総選挙に備えよう。

荒尾で4公認が完勝 県議選敗北乗り越えて 
党副委員長の岩中伸司さんが200票余りの差で惜敗し、よもやの県議選敗戦に沈んだ4月7日の新社会党熊本県本部・荒尾総支部の事務所。しかし、その中で当の岩中さんが「市議選で頑張ろう。それが次の県議選につながる」と発言。

 力強い檄を受けて市議選の4候補陣営と支持者が一体となって危機感を共有、県議が落選すると市議も半減するといわれた劣勢をはねのけ、4人完勝を勝ち取ることができた。

 かつて炭鉱で栄えた荒尾市は現在、人口減少と高齢化が大きく進んでいる。市の課題は高齢者福祉の充実と人口増だ。4人の市議団は福祉の充実こそまちづくりの基本と主張して奮闘を続ける。
 


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