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  4. 2019.06.04

統一自治体選挙
こう闘った 山形・米沢市議選      《4》
5000名超を個々面接 〜新人当選で3人に戻す〜

住民不在のままで
 米沢市(山形県)でも人口減少と少子高齢化に歯止めがかからないが、地方自治体にとって最大の課題だ。それだけに議会の活性化が求められるが、改選前の米沢市議会(定数24)は保守系が6割強を占めていた。

 議会基本条例が2015年に制定されて以降、定例議会での代表質問と一般質問は15名を超える議員が発言するようになり、議員間討議などで議会は活性化してきてはいた。

 しかし、「憲法」「種子法」などに関する住民の請願は、「国が決めること」として多数の力で否決されてきた。市民生活と密接に関わる、市立病院の建替えと民間医療機関との統合問題、市役所の建替え問題、貧困と格差問題、住民の足の確保の問題などは十分な議論もなく、「いつの間にか、住民不在のまま」決められてきている。

大きい議員の存在
 こうした中で前回の市議選は現職1名が勇退し、新社会党としては現職の我妻徳雄氏(国労)、小久保広信氏(米沢市職労)の2名と川西町町議の斉藤智志氏(米沢市職労)、さらに米沢市職労出身の新人太田克典氏を推薦した闘いであった。

 議員の存在は、労働運動や大衆運動、機関紙と組織活動に連動し、さらに「野党共闘」に新社会党が参加するという意義など大きなものがある。

 昨年8月の党米沢支部大会で現職の我妻氏(4期)と小久保氏(3期) を候補者に決定し、新たな候補者擁立を確認。斉藤・川西町議の勇退も確認した。

 新人の影澤政夫氏は、45歳でNTTを退職して事業を始めた。東日本大震災と会津豪雨に電話復旧工事をして多額の赤字を出し、業績挽回を期した事業は災害で頓挫した。

 様々な仕事をし、昨年4月に地域の有線放送会社に入社、設備メンテナンスと地域FMラジオのパーソナリティをしていた。また、不登校・引きこもりを支援するNPOのボランティア活動も続けていた。

 彼の経験と人柄から市議選に立候補するよう働きかけた。そして、彼の決意を受け10月の支部臨時大会で新人の米沢市議候補として決定した。

党員は黒子に徹し
 推薦議員を増やす方針は米沢地区平和センターも共有し、11月の定期大会で4名の推薦と各組合の組織割りを決定した。今回も太田候補を支部として推薦し、党員を4陣営に配置した。党員の任務は、後援会と支持労組を繋ぎ、戦術を具体化し、実務を担う「黒子」に徹することである。新人候補の陣営では、「後援会」を手始めに、すべてを地元と協議し調整した組織と態勢づくりを進めた。

 米沢市議選には現職21名と元職1名、そして新人6名の28名が立候補する激戦となった。我妻候補と影沢候補が重点とした西部地区は7名が競合、小久保候補が重点とした北部地区は5名が競合するなど厳しい闘いだったが、4名全員の当選を果たした。

 勝因は、@市及び地域の課題に対する政策提案が評価されたこと、A現職議員の議会報告など日常的に住民・支持者と繋がる活動が評価されたこと、B新人候補は5000名を超える個々面接とメッセンジャーに徹する訴えなどが共感を得た、などが上げられる。

 嬉しいことに、長年引きこもっていた若者が初めて自分の意思で投票に行ったとの報告が親御さんから影澤氏に届いた。そして、今回の闘いで米沢市議会は非自民系と自公系の議員が同数となったのである。

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