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2011年2月1日
第177通常国会 施政方針演説
国民に背 菅政権  ─ 護憲の国民政権を
 
 第177通常国会が昨年の鳩山政権より1週間遅れとなる1月24日に開会した。菅政権発足7カ月、同日行われた施政方針演説には言葉の新味はなく、政策も自民党政治と変わり映えはしない。

 「国民の皆様」とか「国会議員の皆さん」と異様なまでに卑屈さがにじみ出て、無原則的なリアリスト首相に人心は離れるばかり。政権の命運は混沌とし、解散総選挙もありうる大乱国会になりそうだ。

 ただ、消費税増税やTPP(環太平洋経済連携協定)参加など、国民生活を犠牲にする置き土産だけは許してはならない。


 演説はいきなり「経済、社会保障、財政の一体的改革を全力で取り組む」と切り出した。そして40分間演説の結びで、「国民の皆様」の期待に応えて「熟議の国会」となるようにと「国会議員の皆さん」に呼びかけた。

 演説の柱は「平成の開国」「最小不幸社会の実現」「不条理をただす政治」という「3つの国づくり」。

 「平成の開国」の理念は、TPP交渉への参加と農林漁業再生(という名の切捨て)とのセット論。TPP交渉参加のメドも、農林漁業再生の基本方針策定のメドも6月と期限を切った。

 「最小不幸社会の実現」の理念は、雇用対策と社会保障の充実・制度改革。社保充実の目玉は基礎年金国庫負担割合の維持と子ども手当支給。これらの政策は予算関連法案成立が前提だ。また、社会保障制度改革の目玉は消費税増税。制度改革の全体像と消費税を含む税制の抜本改革方針が6月中に示される。

 「不条理をただす政治」の理念は、「政治の透明化」。目玉の小沢問題は会期中の決着を迫られている。沖縄の米軍普天間基地移設問題も、首相訪米がメドづけとなる。

 財界の期待に応えてTPP、財務省の悲願に応えて消費税増税、自らのリーダーシップを手当てするために政治改革、日米同盟最優先で普天間基地辺野古移設。菅首相は「国民の皆様」が望まないことばかり公約した。

 その実現には自民党の協力が絶対に必要。そのためにプライドを脱ぎ捨てる菅首相、「国民の皆様」は捨て石。自民、民主に代わる「護憲の国民政権」が必要な時を迎えたようだ。



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