1. トップ
  2. 週刊新社会
  3. 今週の新社会
  4. 2011年2月22日
2011年2月22日
4月自治体選に異変
「東京から日本を変える」  石原都政の清算を
 
 4月の統一自治体選挙をめぐり、異変が起きている。

 民主党政権の迷走が続き二大政党制が失速したなか、国民は30年来の「改革」の成れの果てに幻滅し、その現状打破に向けた期待感を、足元の自治体から国政を変えようと呼びかけた地域新党が吸収。その突破力となったのが名古屋・愛知のトリプル選挙にみる「減税日本」旋風だ。

 これから3月24日告示、4月10日投票の日程で、統一自治体選挙前半戦(13都道府県知事、県議会議員、政令都市市議)が始まる。なかでも、今後の国政の行方を占う上で台風の目となるのが東京都知事選だ。


 「国家の中の国家」といわれる首都東京。人口1300万人、有権者1070万人、特別会計を含む予算額12兆円、警察と教職員を含む職員数17万人。23特別区の課税権を握る巨大都市。都知事は「もう一人の首相」とさえいわれる。

 その都知事に石原慎太郎氏が3期12年間君臨し、78歳の今も4期目挑戦の機をうかがう。長男の伸晃氏が幹事長を務める自民党は、石原続投で党の沈滞ムードを一掃し、衆議院解散・総選挙に持ち込む戦略を描く。

 対する民主党は都議会(定数127)第一党だが、すっかり与党化し、有力な対抗馬もない。唯一の野党共産党は「革新都政をつくる会」の要請を受け、前参院議員で党政策委員長の小池晃氏(50歳)を推薦した。

 石原知事は前回が「最後のご奉公」のはずだった。それが2月8日の施政方針演説で、「国政がこうした体たらくなら危機が最も先鋭的に現れる大都市・東京から日本を変えていかなければなりません」と述べ、出馬に意欲と余裕を見せた。

 「東京から日本を変える」―。これは、石原氏が初当選した1999年の選挙で掲げたスローガン。それが今では橋下徹大阪府知事や、河村たかし名古屋市長・大村秀章愛知県知事の共有するところとなった。

 橋下知事の「大阪都構想」と河村市長の「中京圏都構想」に、石原知事は「迷惑だ」と一蹴したものの、都民・府民・市民・県民の鬱憤と不平不満の受け皿≠装い、その実、福祉・生活・環境を破壊する政治姿勢は瓜二つ。

 「大阪、中京、東京が連携して、30年後の日本を引っ張る大都市圏構想」をぶちあげる橋下知事。大村知事も、大阪と愛知を「平成の薩長同盟」に見立て、「幕府を倒す」、「中京圏独立戦略本部」を立ち上げると意気盛んだ。

 もっとも、共産党推薦の小池氏も「東京から日本を変える」と語っている。しかし、小池氏の場合は「憲法9条、25条が光り輝く都政」の実現を目指すことが前提だ。

 在職12年間、憲法9条と25条をないがしろにしてきた石原都政。そんな東京スタイルで日本が変えられたら、日本は独裁的腐敗国家になる。その石原都政12年間の検証は、『黒い都知事石原新太郎』(宝島社)に詳しい。都政を私物化し、利権政治に明け暮れた醜悪な権力者を告発している。「福祉はぜいたく」とうそぶく石原知事。「エジプトの市民のように、石原都政12年間を清算し、『暮らし第一』の都政を取り戻す勇気を持とう」。都民の間に、別種の期待が膨らんでいる。



 ↑上にもどる




事業内容のページへ 事業内容のページへ 詳細のページへ 受講申込みのページへ