前原外相が辞任し、菅内閣は崩壊の色を濃くした。参院審議が始まった11年度予算案は3月末には自然成立する。だが、関連予算案の成立は絶望視され、菅首相は辞任か解散かを迫られている。
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無法な整理解雇を撤回せよと訴える原告者と
支援者の皆さん=2月22日、日航本社前 |
菅政権は失速寸前である。民主党内は小沢氏の処分を巡り分裂状態、16人が会派を離脱し、離党者も出た。
対する自民党は解散総選挙へ追い討ちをかけるが、迫力不足だ。予算関連法案は26本。なかには子ども手当引き上げ法案や法人税引下げ法案があり、財界サイドから超党派の合意形成待望論が高まっている。
さて、過去10年間に首相は6人も入れ代わった。エポックは自民党解体を叫んだ小泉政権の登場(01年)と政権交代(09年)である。
ポスト小泉の自民党政権は安倍、福田、麻生と3代続いた。菅政権は政権交代2代目。だが、政権交代効果は事実上鳩山政権で潰え、自民党政治は菅政権に継承された。
前原氏が閣外に去った今、菅首相は敗北を覚悟で解散総選挙に出た麻生政権と同じ境遇にある。そのあと、再び政権交代が起きるのか。
渡辺も桝添も河村も、みな自民党亜流政治家だ。ここは戦後民主主義の原点、護憲政治に立ち返るときである。
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