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2011年4月12日
茨城 家半損壊 最大
負傷者も最大規模  桁違いの原発被害
 

 3月11日の東北地方太平洋沖地震は東日本大震災という未曾有の地震災害を引き起こした。茨城県では死亡22人、行方不明1人、負傷671人、避難577人。負傷者は宮城県に次ぐ被害を受けている。

 茨城県の物的被害も全壊368棟、半壊2155棟、一部損壊6万6779棟、浸水1939棟。半壊、一部損壊、浸水はとくに多い。

震災で全壊した家々=茨城県東部
 茨城県は岩手、宮城、福島3県の被害の大きさに隠れがちだが、甚大な被害を受けており、中軽度の被害が深刻だ。地域的には県北部が津波も含めた激甚被害を受け、県南部でも全半壊、負傷者の被害が多数出ている。

 今回の震災は、世界初の「原発震災」を発生させ、原発の「安全神話」を粉砕した。その深刻さは現在進行中という形で全国民、全世界に痛感させており、事態の進展は全く予断を許さない。

 茨城県は、1999年のJCO臨海事故で被曝死者を出し、農産物などの風評被害も含めた被害を出した。今回の「原発震災」は、水産物も含め桁違いの被害をもたらそうとしている。

 東電福島第一原発から放射性物質を含む汚染水が垂れ流しにされ、県内漁港のコウナゴからヨウ素・セシウムが検出された。補償は「脱原発」が前提にあってこそだ。

 新社会党茨城県本部はこの間、全国初の商業用原発を抱える県として国政選挙などでも「脱原発」を強く訴えてきた。JCO臨界事故の際にも、矢田部理委員長(当時)を団長とする調査団を派遣し、自治体レベルでも原発の危険性と「脱原発」の必要性を訴えてきた。

杉森弘之議員
 この3月4日、新社会党の杉森弘之牛久市議が、地震と原発災害の問題を議会の一般質問で取り上げた。杉森議員は、牛久市地域防災計画「震災対策計画編」が「本市は、地震国日本の中でも有数の地震多発地帯の一つである関東地方に位置するため、過去様々な地震の影響を受けています」と正しく記述しているが、東海村をはじめとする原子力発電所が震災を受けた場合の検討が抜け落ちていることを指摘。

 続いて、「原発は震災に極めて弱い構造を持っている。津波の影響を受けやすい海岸線に多く立地し、震災を受けた際の被害は想像を絶するものがある」と懸念を表明。そして、「このような危険な原発に対し、国や県の施策は極めて不十分。原発に対する『安全神話』とも言うべき幻想があり、防災基本計画の避難活動も一般震災のときのような域内の避難を想定しているに過ぎない。

 市として原発震災への対策と安全で安価な電気エネルギーへの転換を模索すべきではないか」と訴えた。今回の「原発震災」は質問の7日後に起きた。(茨城発)
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