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2011年4月19日
大震災の統一自治体選
ふんばった さあ後半戦
 

 原発震災を伴う東日本大震災の最中に実施された統一自治体選挙前半戦(12都府県知事選、4政令市長選、41都府県議選、15政令市議選)の投開票が4月10日に行われた。

 二大政党は民主の退潮、自民の復調が伝えられるが、両党とも都道府県議選、政令市議選で改選前を下回り、増やしたのはみんなの党と「大阪維新の会」や名古屋の「減税日本」といった地方政党を含む諸派・無所属となった。

 都知事選などとくにリーダーシップが問われた首長選では自民が圧勝した。
 新社会党が公認・推薦等をした候補者は、県議選で無投票当選を決めた岩中伸司さん(熊本、党中央本部副委員長)や黒川征一さん(徳島)をはじめ各地で健闘した。

 震災の救援・復興と原発震災が続く中、新社会党は4月17日から始まった後半戦へ全力をあげている。

 県議会選では他に金子敏昭さん(山形)、沢田たか子さん(滋賀)、山下真澄さん(広島)、坂本茂雄さん(高知)が当選。井上力さん(兵庫)、斉藤喜和さん(新潟)、戎野博さん(徳島)、井上自由さん(高知、社民公認)が届かなかった。

 政令市議選では小林義昭さん(新潟)、粟原富夫さん(神戸)、小林るみ子さん(同)、山内まさゆきさん(広島、社民公認)が当選した。しかし、本田ゆみさん(札幌、社民公認)、高田勝之さん(神戸、社民公認)が時点で惜敗した。

 松枝佳宏党中央本部書記長は「新社会党は踏ん張った。しかし、共産、社民を含め護憲派総体の退潮も明らか。地域段階で民主主義の融解が進み、強いものを求める危険な風潮が広がっている。政府・財界はこの大震災を利用して日本列島総合理化に出てくるだろう」と後半戦へ引き締めた。

 広島県会に議席
 山下真澄さん当選  新社会党の悲願実る


 「当選だ!」という声とともに山下真澄さん(61歳)の事務所=福山市神村町=は歓声と拍手に包まれた。広島県議選の福山選挙区は定数11、山下さんの得票数は1万455、最下位ながら二度目の挑戦で雪辱を果たした。

 前回は858票の僅差で次点に終わった。その悔しさをバネに、前回の何倍も歩く地をはう活動が、大輪の花を咲かせたのだ。新社会党は結党以来、福山選挙区で挑戦を続けてきたが、わずかのところで及ばなかった。

 教育労働運動や部落解放運動にかけられてきた当局の一方的な攻撃を跳ね返し、反動攻勢にクサビを打つためにも、新社会党の議席獲得は何としても果たさなければならない至上命題だった。

 山下さんは、その重い任務を背負うのに最もふさわしく、期待に応えてくれる人(後援会の高橋晋作会長)だった。
 山下さんは選挙の勝利宣言で「たくさんの方々の応援を全身で感じています。本当にありがとうございました」と支援に感謝するとともに、「選挙中に皆さんに約束したことを一つひとつ懸命にやっていく。一年生で難しいかもしれないが、一生懸命に取り組むことだけは誰にも負けない」と日焼けした顔で力強く決意を表明した。

 選挙で訴えた政策は、平和、教育、人権、地場産業振興、環境保護など全般にわたるが、とくに教育問題が大きなウエイトを占めた。山下さんの当選は、現場無視・教育否定の行政のなかで、1議席にとどまらない大きな意義がある。

新潟市議選 小林よしあきさん
4期目に当選


新潟市議選西区選挙区は定数11に13人が立候補
する少数激戦となったが、4期目を勝ち抜きダルマに
目を入れる小林義明さん(左)
 新潟市議会西区選挙区は、2番目に有権者数が多い選挙区で定数11に現職10人、元職1人、新人2人が立候補した。さらに前回複数擁立した政党が候補者を絞るなど少数激戦となったが、小林義昭さん(新社会党新潟県本部委員長)が3646票を獲得して4期目の当選を勝ち取った。

 昨年9月に選挙事務所を開設し、全県の党員と候補者夫妻、支援者で運動を進めてきた。前回の5196票を獲得した「安泰ムード」を払拭し、票固めを行ってきた。夫妻で地元ローラ1回とカードあいさつ2回、党員・支持者で地元1万軒のローラ2回、報告会3回などを行った。

 開票日は、事務所に支持者、運動員が集まり、開票所から「11番目を新人2人と争っている」との報告に、一瞬重い空気が漂ったが、11番目の当選確実の報告に拍手が湧き起こった。

 小林義昭さんは「皆さんには難儀をかけた上に、ご心配をさせる当選でしたが、本当にありがとうございました。旧社会党・県評ブロック系の候補には厳しい審判となったが、私たちの進めてきた考え、運動には確信を持っている。子どもやお年寄り、障がいのある方々も暮らしやすい街づくりにいっそう努力していく。『市政を市民の目線に』を信条に4年間全力で活動していく」とお礼と決意を語った。

 現段階での総括として、@油断をしていたわけではないが、地域での知名度も評判も良く全体的に4000票くらいとの思いがあった、A地域的にもそうした声があり、家族票が分散した、B組織・個人が二大政党が「定着」する中で、旧社会党・県評ブロックの存在感が小さくなっており、組合員も組合の存在意識が小さくなっている。

 そうした有権者・組織の状況を的確につかめないでいることが、社民党系候補の苦戦となった。斉藤喜和さん(西区・新社会も推薦)の県議選敗退をはじめ、市内で3人落選に典型的に現れた、C小林さん夫妻も党員も4年間で運動量が落ちた。(新潟発)
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