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2011年2月22日 |
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愛知トリプリ選結果 |
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総翼賛化がもたらした |
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名古屋市長選と愛知県知事選、名古屋市議会解散の賛否を問う住民投票の結果は衝撃的だった。かつてない現象だ。メディアも危惧を表明する。しかし、小選挙区制以降の総翼賛化の帰結ではないか。政治に真の対抗軸をつくれない左派が、問われる。
2月6日に投開票された市長、知事選の結果は新しいものの形成ではなく、政治総体が粥状に崩れ出したことの現れでしかない。
河村たかし市長の66万2000票は、次点の石田芳弘氏の3倍。大村秀章知事の150万2000票も、公明党県本部の支持はあったが、他の全政党の推薦候補たちの総計をも上回った。みんなの党さえ昨年の参院選の得票を大きく減らした。
3月13日投票の出直し名古屋市議選は、河村市長与党が圧勝するかもしれない。盟友・橋下徹大阪府知事は、「大阪維新の会」で府議会を制圧し、東京都知事選で連携候補を擁立すると威勢がいい。
さらに、議会の総スカンをくいながら、5人の市町長で「埼玉改援隊」を旗揚げしたさいたま市長など、便乗組もいる。
お粗末な政策とデマ
しかし、「地域新党」がいかに連携しようとも国政を担えるとは思えない。その政策はまことにお粗末だ。
名古屋の市民税10%減税は、高額所得者層以外ほとんど恩恵がない。減税による減収は200億円だが、市議報酬(年1600万円)を半減しても、財政は6億円しか浮かない。法人市民税も減税しているから、市債は河村市長の時代も累積する一方で、この1年で300億円増の1兆8500億円に達した。
大村知事に至っては、自民党代議士からの鞍替えに過ぎず、河村旋風に乗って圧勝しただけ。それだけではない。民主主義を破壊するデマゴギーを振り撒き、「庶民革命」の名の下に二元代表制を否定する。民主党の副代表すら「ヒトラーみたいだ」と嘆くほどだ。
寄るべのない民衆
09年総選挙で、愛知県内15小選挙区を独占した民主党を支えた大きな力は、トヨタ王国の労使だった。それが長期不況で下請け企業も労働者も苦しめられ、民主も自民も集票機能が崩壊し始めた。
体制側も「一体性」が溶解し始めたが、一方、民衆の一体性の拠りどころとなるべき左派は、あまりにも微弱でバラバラだ。民衆は砂状となり、今回の事態を生み出した。
民主も自民も見分けが付かず、国会は泥沼状態だ。しかし、この二大政党を軸に再編されながらしばらくは国政を担うだろう。
そして、今や何でもありだ。名古屋や大阪の人気に煽られ、国政でも団子になって議会制民主主義の破壊と公務員攻撃に向かう。河村=橋下軍団は、外野から国政を煽り立てる役割は果たす。
住民の手に取戻せ
国会は、定数削減でさらなる翼賛国会になり、自治体議会も過度の定数削減と歳費削減で、大政党所属か大金持ちに占領されかねない。今でも総与党化で活気のない各級議会の活力はさらに減退し、議会不信を生み、ミニヒットラーがあちこちで登場しかねない。
自治体議会を住民の手に取戻す一歩を、来る統一自治体選挙で踏み出そう。
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