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2011年5月31日 |
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浜岡原発停止 |
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廃炉以外に絶対安全≠ネし |
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東海大地震の震源域の中央に立地し、世界一危険な原発といわれる中部電力の浜岡原子力発電所は、5月14日までに全機が運転を停止した。津波対策完了までの期限付きだ。津波対策をすれば安全ということはできない。廃炉以外に〃絶対安全〃はない。
あってはならない
浜岡原発の停止・津波対策は、マグニチュード(M)9の東北沖大地震を受けて菅直人首相が要請し、中部電力が受け入れた。
要請には、法律的な根拠がないとか、唐突だといった批判があるが、条件付きとは言え、大地震が来る前に停止させたことは評価してよい。だが、問題はこの後どうするかだ。
大きく四つ課題を考える。一つ、浜岡は津波対策が〃完了〃したら再開を認めるのか、二つ目は他の原発はどうするか、三つ目は新増設、四つ目は核燃料サイクルの問題だ。
まず、浜岡の津波対策が仮に完璧なものができたとしても、想定されているM8超の地震の直撃を受けたら、福島第一原発事故と同様、もしくはそれをはるかに超える事態が起きる危険性が高い。
福島は取り合えず制御棒は挿入され、核反応は止まった。だが、浜岡の場合は肝心の制御棒の挿入ができない可能性が非常に高いのだ。浜岡の原子炉は、福島と同じ沸騰水型で緊急停止の際、制御棒を駆動装置によって下から挿入する。
大地震は横揺れと縦揺れが同時に襲い、正常に制御棒が挿入されない事態は容易に想像できる。しかも、沸騰水型の制御棒は激しい揺れで簡単に落下する構造になっている。
2009年に起きたM6・5の駿河湾地震で、稼働中だった5号機の250本の制御棒のうち、30本の駆動装置が故障したという。大地震によって到る所に破損が起きた上に、核反応が止まらなかったらどうなるか。暴走・爆発…、想像するだけでも恐ろしい事態が出現するのである。
浜岡はあってはならない原発であり、廃炉以外にないのだ。
人の命を最優先に
では、浜岡以外の原発は安全なのか。とんでもない。原発を造る側の国や電力会社が異常に過小評価した活断層が、どの原発の付近や直下にあり、専門家の指摘によってその規模がどんどん修正され、大きくなっている。
そして、それらの活断層は日本列島が乗っかっているプレートの動きにも左右されて動く。東北沖大地震の後、震源から遠く離れた地域でも地震が頻繁に起きているのは、活断層とプレートが連動しているからだ。
活断層と老朽化した原発、さらに津波対策のほとんどない原発、人間の命を何よりも尊いものと考え、守る立場に立てば、他の原発も止め、廃炉にするしかないことは明白だ。
そして、新増設は直ちに中止すること。これまで、事故を起こさないまでも、原発を稼働させることで膨大な放射性物質を作り出す大きな罪を犯してきたのに、これ以上の罪を重ねることはない。
原発が無くなれば、核燃料サイクルなど無用だ。それ以前に使用済み核燃料再処理施設や「もんじゅ」の現状は、核燃サイクルが不可能な技術、かつ危険極まりないものであることを証明している。
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