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2011年7月19日 |
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税と社会保障の一体改革 |
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消費税大増税への道だ |
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政府・与党の「社会保障改革検討本部」(本部長・菅直人首相)は6月30日、消費税率10%への引上げを決定した。消費税で社会保障公費分全体を賄うと、税率はいずれ20%台に達する。貧困・格差社会をさらに強める消費税大増税路線に強く反対する。
今回の消費税増税策は、社会保障改革と一対の点に特徴がある。
菅首相は、就任直後に消費税率10%への引上げに言及し、それが参議院選挙での民主党敗北につながった。そこで、社会保障改革の全体像と必要な財政規模を示し、その財源として消費税増税を示す手法をとった。
このため昨年10月、所信表明演説で「社会保障と税の一体改革」を打ち出し政府・与党でつくる「社会保障改革検討本部」を設置。今年1月、与謝野馨氏を担当大臣に据えた。
消費税率20%台へ
マスコミは消費税に関し、税率10%への引き上げを大きく報じたが、不正確である。検討会議決定のポイントはこうだ。
消費税を原則として社会保障の目的税とする、 そのことを法律上、会計上も明確にすることを含め、区分経理を徹底する、 まず2010年代半ばまでに段階的に10%まで引き上げ、当面の社会保障改革にかかる必要財源を確保する、 将来的には、社会保障給付にかかる公費全体について、消費税収を主財源に安定財源を確保する、 国会議員定数削減、公務員人件費削減など無駄排除を一体的に進める、など。
10%は当面の税率として記してある。方向は、社会保障目的税化を「法律上、会計上も明確」にし、社会保障関連公費全体を消費税で賄わせるもので、税率20%台への仕掛けが盛り込まれている。
社会保障「重点化」
検討会議決定は、社会保障改革に関し「中規模・高機能」な社会保障を目指すとする。「中規模」とは現行社会保障制度を基本的に維持すること、「高機能」とは給付の「重点化・効率化」である。
「重点化・効率化」として、医療施設平均入院日数や要介護認定者数の減少をはかること、保育所と幼稚園を統合し民間参入を促すこと、病院外来受診時での定額負担制度新設の検討、年金支給開始年齢70歳への引上げ検討―などが並ぶ。社会保障給付の範囲が狭められ、生活の安心がさらに後退する。
しかも財界側は効率化不足だとの批判を強めている。軽い風邪での受診者や軽度要介護者を保険給付から除外するなど、改悪への動きがさらに強まろう。 貧困・格差を増幅
消費税は、1989年、所得税・法人税の最高税率引き下げ・段階区分縮小という新自由主義的税制改悪の一環として導入された。さらに消費税は、 最低生活費分への課税、 所得が低いほど負担割合が高くなる所得逆進性、という二つの本質的欠陥を持ち、また、 消費税分を価格に上乗せできない小零細事業者を滞納・廃業へ追い込んできた。この憲法の応能負担原則に反する消費税を、社会保障・財政再建の財源にさせてはならない。
新社会党は、貧困・格差社会をさらに深刻化させる消費税増税に反対し、不公平税制の是正と消費税廃止へ全力を挙げる。
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